中学受験は食事で集中力アップ|中学受験生に必要な栄養とおやつのヒント

「最近、集中力が続かない」「イライラしやすくなった気がする」
中学受験を控える子どもを見守る中で、そんな様子に不安を感じているお母さんも多いかもしれません。
実は、食事の内容やタイミングは、子どもの集中力と大きく関係しています。
「ちゃんと食べてるのに…」と思うときこそ、“何を・いつ・どんなふうに”食べているかを見直してみることが大切です。
この記事では、中学受験期の集中力を支える食事のポイントと、忙しい日々の中でも取り入れやすい“食卓の工夫”をお届けします。
おやつや朝ごはんのヒントも交えながら、毎日のごはんが子どもの力になるようなサポートを考えていきましょう。
集中力を支える食事とは?中学受験期に意識したい栄養素

中学受験を控える子どもにとって、集中力の維持は勉強の成果に大きく関わります。
十分な睡眠や休憩と並んで、毎日の食事が集中力の“土台”を支えていることをご存じでしょうか?ここでは、集中力を支える栄養素と、その働きについてわかりやすくご紹介します。
糖質|脳のエネルギー源は“質とタイミング”がカギ
脳のエネルギー源になるのは、主にブドウ糖です。これを含む糖質は、白米やパン、果物などから摂取できますが、急にたくさん摂ると血糖値の上下が激しくなり、集中力が落ちてしまうことも。
理想的なのは、血糖値をゆるやかに上げてくれる「複合炭水化物」。玄米や雑穀米、全粒粉パンなどを食事に取り入れると、長時間にわたって安定した集中力が保てるようになります。
たんぱく質|神経伝達物質の材料に
集中力や思考力を支える神経伝達物質(ドーパミン・セロトニンなど)は、たんぱく質からつくられます。魚・肉・卵・豆腐などをバランスよく摂ることで、脳がスムーズに働きやすくなります。
特に朝食でのたんぱく質は、1日の集中力を左右します。「納豆ごはん+卵焼き」など、シンプルでも継続しやすい組み合わせが◎。
鉄分・ビタミンB群|“ぼんやり”を防ぐ隠れた主役たち
鉄分が不足すると、脳に十分な酸素が運ばれず、ぼーっとしたり眠くなったりしやすくなります。レバー・赤身肉・小松菜・ひじきなどを定期的に摂るよう心がけましょう。
また、糖質やたんぱく質の代謝を助けるビタミンB群(特にB1、B6)は、エネルギーを効率よく使うために欠かせません。豚肉、卵、海苔、バナナなど身近な食材に多く含まれています。
無理に全部を完璧に取り入れる必要はありませんが、「偏りすぎていないか?」を見直すことで、日々の集中力にも変化が表れてきます。
中学受験で集中力を高めるには、血糖値を意識して

中学受験の勉強は、長時間にわたることが多く、集中力の持続が大きな課題になります。
その集中力を裏側で支えているのが、実は「血糖値の安定」です。急な上昇や下降があると、イライラしたりぼーっとしたりして、集中が切れやすくなります。
朝ごはんは“エネルギー源”だけでなく“リズムのスイッチ”
朝食を抜いたり、菓子パンや甘いジュースだけで済ませると、血糖値が急上昇しやすく、反動で急激に下がることで眠気や集中力低下を引き起こします。
朝ごはんでは、ごはんや全粒パンなど“ゆるやかに糖を出す主食”に加え、卵・納豆・魚などのたんぱく質をしっかりと。
たとえば、「焼き鮭+ごはん+味噌汁+りんご」のような和食スタイルは、血糖値を安定させつつ満腹感も得られます。
間食での「血糖値ジェットコースター」を防ぐ
勉強の合間のおやつも、血糖値に配慮した選び方が大切です。急激に血糖値を上げるお菓子や清涼飲料水ばかりだと、15分後にはやる気が失われてしまうことも。
おやつには、ナッツやチーズ、さつまいも、ヨーグルトなど、少し噛んで満足感があり、血糖値が安定しやすいものを選ぶのがおすすめです。
一度の食事内容だけでなく、「一日を通して安定した血糖値」を意識することで、受験期の集中力を下支えしてくれる食習慣がつくられていきます。
塾や家庭学習中の“おやつ”はどう選ぶ?

長時間の勉強や塾通いの合間に、おやつでエネルギーを補うご家庭も多いのではないでしょうか。ただし、糖分の摂りすぎや、眠くなってしまうようなおやつは避けたいもの。ここでは、集中力を保ちつつ、満足感も得られるおやつの選び方を紹介します。
血糖値の急上昇を防ぐ「低GIおやつ」
市販のスナック菓子や甘いジュースは、血糖値を急激に上げてしまい、その後の眠気や集中力低下につながることがあります。代わりにおすすめなのが、血糖値の上昇が緩やかな「低GI食品」。
・おにぎり(玄米や雑穀米入り)
・ゆで卵
・チーズ
・ナッツ(無塩のもの)
・干し芋や蒸しさつまいも
などは、腹持ちがよく、集中力も持続しやすいおやつです。
脳の疲れをやわらげる「甘みのある補食」
どうしても甘いものが食べたいときには、フルーツや甘酒など、自然な甘みを含んだ食材を使うのがおすすめ。特にバナナや干しぶどう、冷凍ブルーベリーなどは手軽に食べられ、脳にエネルギーを届けてくれます。
集中前のスイッチとしての「軽めのおやつ」
勉強前の“気持ちのスイッチ”として、おやつタイムを取り入れるのも一つの工夫です。「これを食べたら、◯分間がんばる!」というように、おやつを区切りにすると、子ども自身がメリハリをつけやすくなります。
ただし、食べすぎや内容に偏りがあると、かえってだらけたり眠くなったりすることもあるので、量と質のバランスには注意しましょう。
中学受験期の食事サポートで、親が気をつけたい3つのこと

集中力を支える食事は、単に栄養を満たすだけでなく、子どもの心と体に“安心”を届ける大切な時間でもあります。ここでは、食事づくりにおいて親が意識しておきたい3つのポイントをまとめました。
1.「食べる時間帯」と「リズム」を整える
受験生の生活リズムは、不規則になりがちです。特に夜遅くまで勉強する日が続くと、夕食の時間が後ろ倒しになったり、朝食が食べられなかったりすることも。
できるだけ毎日同じ時間に、軽くても何か口にする習慣をつけることが、体内リズムと集中力の維持につながります。朝食が難しい場合は、バナナや具入り味噌汁、ヨーグルトだけでもOKです。
2.「バランス」を求めすぎない
親としては、栄養バランスの整った献立を…と頑張ってしまいがち。でも、「一汁三菜」や「理想の食事」を毎日続けるのは、現実的には大変です。
そんなときは、「丼にすれば野菜もタンパク質も摂れる」「味噌汁に具をたっぷり入れる」といった“ゆるい工夫”で十分。がんばりすぎず、子どもが食べやすい形で栄養が摂れる工夫を意識しましょう。
3.「食べる時間」を安心のひとときに
食事の時間は、子どもにとって一日の中でも数少ない“休憩”の時間です。つい「今日の勉強どうだった?」と聞きたくなる気持ちはあるものの、あえて静かに食べたり、他愛のない会話をしたりすることで、心がほっと落ち着きます。
また、家族で同じものを食べることは「自分はひとりじゃない」という感覚にもつながり、受験期の孤独感やプレッシャーをやわらげる効果もあります。
まとめ:食事は“集中力の土台”をつくる、親子で支え合える力に

中学受験は、子どもにとっても親にとっても、大きなチャレンジです。そんな毎日を支えてくれるのが、日々の食事。
「集中力を高める食事」と聞くと、難しそうに感じるかもしれませんが、特別なことをする必要はありません。
いつものごはんに、ほんの少しの意識と愛情を添えるだけで、子どもの心と体はぐっと安定していきます。
大切なのは、完璧を目指すことではなく、「今日はこれで大丈夫」と思える食卓を一緒につくっていくこと。
食事は、子どもが安心して力を出し切るための“土台”です。
栄養だけでなく、気持ちのこもった一杯のスープ、好きなおかずが並ぶ食卓、静かに見守るまなざし。
それらすべてが、子どもの集中力をそっと支えてくれる力になります。
親子で乗り越える受験の道のりに、毎日の“食”が温かな後押しとなりますように。