中学受験期の食事指導というと、
「朝ごはんをしっかり食べさせましょう」
「夜は消化の良いものを」
といったアドバイスをよく目にします。

もちろんそれらは大切ですし、こちらのコラムでも記事にしています^^


同時に、私自身も一人の中学受験生の母として、実際の学習現場を見ていると、成績や集中力の安定には、補食・おやつの取り方 も大切だと感じるのです。

・夕方になると急に集中力が落ちる
・塾の後半で頭が働かなくなる
・イライラしやすく、ケアレスミスが増える
・単純にやる気が出ない

これらは気合や根性の問題ではなく、
脳のエネルギー供給が途切れているサイン である可能性があります。

本記事では、
中学受験生の「補食・おやつ」をどう設計すべきか を科学的、かつ、実際の経験者の視点からお伝えします。

なぜ中学受験期に「補食」が重要なのか

脳はブドウ糖しかエネルギーとして使えない

ヒトの脳は、エネルギー源として 主にブドウ糖(グルコース)を利用する臓器 です。
ブドウ糖が不足すると、記憶力・注意力・判断力などの認知機能が低下することが報告されています。

https://www.mdpi.com/2304-8158/14/24/4233

実際、グルコース摂取と認知機能の関係をまとめた総説論文では、
適切な血糖状態が記憶や注意のパフォーマンスと関連する ことが示されています 。

特に成長期の子どもは、

  • 体重に対する脳の割合が大きい
  • エネルギー消費が激しい

という特徴があり、血糖値の影響を大人より受けやすい とされています。

概念整理 中学受験期のおやつは2種類ある

① からだのおやつ(=補食)

目的:脳と身体のパフォーマンス維持

これは本記事で扱っている中心テーマです。

特徴

  • 空腹を防ぐ
  • 血糖値を安定させる
  • 集中力・思考力を維持する

位置づけ

  • 勉強のための「燃料」
  • 感情ではなく設計で選ぶもの

具体例

  • 小さめおにぎり+たんぱく質
  • 焼き芋、チーズ、ナッツ
  • バナナ+ヨーグルト など

② 心のおやつ(=気持ちを満たすもの)

目的:安心感・満足感・モチベーション維持

中学受験期にでも、大切な要素の一つです。ただし、役割を誤解しないことが大切 です。

特徴

  • 「好き」「嬉しい」「ホッとする」
  • 家族とのコミュニケーション要素
  • ストレス緩和・気分転換

位置づけ

  • 勉強の燃料ではない
  • 感情を整えるためのもの

具体例

  • チョコレート
  • クッキー
  • 特別なおやつ時間 など

この違いを子ども本人が理解し、意識できるようになると、より一層、学習をスムーズに支えることが出来るようになります。

中学受験生くらいになると、理解力も高まるので、理論的に丁寧にお話してみてくださいね。その時、「心のおやつも大事なのよ」ということもお忘れなく!

科学的に見た「補食設計」3つのポイント

① 血糖値を急に上げない組み合わせ

糖質単体よりも、

  • 炭水化物+たんぱく質
  • 炭水化物+脂質

の組み合わせは、血糖値上昇を緩やかにすることが知られています。

例:

  • 鮭おにぎり
  • チーズトースト
  • 大判焼き

これは消化吸収速度が調整されるためで、
集中力を比較的長く維持しやすい と考えられています 。

② 少量・こまめが基本

補食は「満腹にするもの」ではありません。
食べすぎると消化にエネルギーが使われ、
逆に眠気や集中力低下を招くことがあります。

目安は
次の食事に影響しない量を、集中が切れる前に

③ 時間帯を固定する

「お腹が空いたら」ではなく、
学習スケジュールに合わせて補食の時間を設計する ことが重要です。

例:

  • 学校後〜夕方学習前
  • 塾前
  • 塾の休憩時間(可能な場合)

中学受験生におすすめの補食・おやつ例

手軽に取り入れやすい食品

  • 焼き芋
  • ナッツ(素焼き・無塩)
  • チーズ
  • 無糖ヨーグルト

塾によっては、間食する時間がない場合もあります。一口サイズの羊羹やカステラなどもおすすめです!

注意したいおやつの考え方

砂糖を含むスナックについては、
短期的に注意力や記憶課題が改善した という研究報告もあります 。

ただしこれは一時的な効果であり、
頻回摂取や習慣化が学習全体に良いとは限らない ことも指摘されています。

さらに、超加工食品の多い食生活と、
認知機能・学業成績との関連を示唆する研究も報告されています 。

おやつとなると、小さな一口サイズのチョコ、グミやラムネばっかり。気になるわ…

不安になるのは当たり前のこと。
ですので、「甘いもの=即NG」ではなく、
頻度・量・タイミングを意識する という視点が重要です。

補食は「成績を上げる魔法」ではないが、土台になる

補食を整えたからといって、
すぐに偏差値が上がるわけではありません。

しかし、

  • 集中力が切れにくくなる
  • 学習効率が安定する
  • 感情の波が小さくなる

これらは、
中学受験を最後まで走り切るための土台 になります。

からだのおやつを理解できると、どんな商品が良いか?話して決める時間も楽しくなりますよ!

まとめ おやつの時間は学習パフォーマンスを左右する

中学受験期の食事で見落とされがちなのが、
補食・おやつの設計 です。

  • 朝食と夕食だけでは足りない
  • 勉強時間の「間」をどう支えるか
  • 子どもの集中力を切らさない環境づくり

おやつはご褒美ではなく、
学習を支えるエネルギー補給

ぜひ今日から、
「何を食べるか」だけでなく
「いつ・なぜ・どのくらい」 をお子さんと一緒に意識してみてください。

※この記事について

本記事は、
・薬剤師としての医療的視点
・食育講師としての実践経験
・中学受験を経験した母としての体験
をもとに構成しています。
特定の商品や方法を推奨するものではなく、各ご家庭で再現しやすい「基本的な体調管理」をお伝えすることを目的としています。

執筆者:石井 千賀子(いしい ちかこ)

薬剤師。昭和大学薬学部卒業後、昭和医科大学、調剤薬局に勤務。医療現場での経験と、子育てを通じて得た実感をもとに、食と生活習慣が子どもの学びや心身の土台をつくることに着目。現在は食育スクール運営のほか、科学的根拠に基づきながら医療・教育・食を横断する立場から保護者に寄り添うコラム執筆やセミナーを行っている。すべてのコラムへ

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