こんにちは。東京都大田区久が原で子どもの食育スクール「青空キッチン」を主宰している、食と学ぶと 代表・薬剤師の石井千賀子です。

人見知りの子が習い事で泣いてしまっても、黙ってしまっても、それでいいのです。子どもの安心は、大人が励ますことよりも「待つこと」で育ちます。秋は新しい習い事を考えるご家庭が増える時期です。この記事では、人見知りの子の習い事で大人ができる関わり方を、私の子育てと教室での経験からお伝えします。

この記事のポイント
・人見知りや緊張は「できない」ではなく「今はまだ準備中」のサインです
・「大丈夫だよ」と言う前に、子どもの「まだ大丈夫じゃない気持ち」を受け止めることが大切です
・子どもが自分で「大丈夫」と思えるまで、その子のペースで待つことが安心につながります

人見知りの子が習い事で緊張するのはなぜ?

人見知りの子が緊張するのは、繊細で感受性が豊かだからです。

大田区久が原の教室で子どもたちを迎えていると、初めての場所で精いっぱいがんばっている姿によく出会います。こわばった表情で入ってくる子、靴がなかなか脱げない子、お母さんの手を離せない子、自分の名前が言えない子。保護者の方からは「なかなか話さなくて」「緊張してしまって」と心配の声をいただくこともあります。

けれども食育講師として多くの子どもたちを見てきて、私はこうした姿を心配しすぎる必要はないと考えています。人見知りの子は、人の気持ちをよく感じ取り、まわりを見てから行動する「聴く力」を持っています。緊張は、その力の裏返しなのです。

「できない」ではなく「今はまだ準備中」|息子のバイオリン教室の3年間

私自身も、母として同じ経験をしてきました。

次男はバイオリン教室に通っていますが、先生にあいさつができるようになるまでに1年、先生と自然に話せるようになるまでには、なんと3年かかりました。

その間、私が大切にしていたのは、息子の姿を「できない」ではなく「今はまだ準備中」と受け止めることでした。今では先生と息子の間に、信頼しきった師弟関係ができあがり、教室は息子にとって安心できる場所になっています。

子どもが心を開くまでにかかる時間は、一人ひとり違います。時間がかかることは、決して悪いことではありません。

「大丈夫だよ」の声かけが、子どもの気持ちを見逃すことも

励ましのつもりの「大丈夫」が、子どもの本当の気持ちに蓋をしてしまうことがあります。

「緊張してるの?大丈夫だよ!」「お友だちもいるし大丈夫よ!」「ほら、ママも近くにいるから大丈夫だよ」。どれも子どもを思っての言葉です。

精神科医・さわ先生の著書『子どもが本当に思っていること』(日本実業出版社)には、「とりあえず『大丈夫』って言わないで」という一節があります。大人が先に「大丈夫」と言ってしまうと、子どもの「まだ大丈夫じゃない」という気持ちを見逃してしまうおそれがあるのです。

大人が本当にすべきことは、子どもが自分で「大丈夫」と思えるようになるまでを支えることです。そのための安心感を、子どもと一緒に育てていくことだと私は考えています。

人見知りの子の安心を育てるには?大人ができる3つのこと

人見知りの子の安心は、焦らず、比べず、その子のペースを待つことで育ちます。

青空キッチンの教室で私たち講師が心がけていることを、ご家庭でも取り入れやすい形でまとめます。

1. 焦らない
すぐに笑顔を見せてくれる子もいれば、少しずつ心を開いていく子もいます。声を聞けるまでに半年かかった子もいました。変化には時間がかかって当たり前だと考えます。

2. 比べない
クラスが変わると、また緊張してしまう子もいます。ほかの子と比べず、その子のペースを大切にします。

3. 大人が笑顔でいる
教室では、講師が笑顔でいること。それが、子どもにとって一番の安心材料です。

「待つこと」で見えてくる、子どもの小さな変化

待つことを大切にしていると、子どもたちの小さな変化に気づけるようになります。

泣きながら教室に来ていた子が、いつのまにか笑顔で話しかけてくれるようになる。何も話さなかった子が、お友だちに「これやろう!」と声をかける。青空キッチンの教室で、私はこうした瞬間に何度も立ち会ってきました。

そのたびに、「待つこと」の大切さを実感します。料理という体験を通して、子どもたちは自分のペースで一歩を踏み出していきます。人見知りの子の習い事は、泣いても黙っても大丈夫です。私たちはこれからも、子どもが「ここは大丈夫」と思える教室づくりを、丁寧に続けていきます。

よくある質問

Q. 人見知りの子でも、習い事に通わせて大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。緊張や人見知りは「今はまだ準備中」のサインであり、大人が焦らずに待つことで、その子のペースで少しずつ安心して過ごせるようになります。

Q. 習い事で緊張している子に、どんな声をかければいいですか?
A. 先に「大丈夫だよ」と言うより、子どもの「まだ大丈夫じゃない気持ち」を受け止めることが大切です。子どもが自分で「大丈夫」と思えるようになるまで、安心感を一緒に育てていきましょう。

Q. 青空キッチンはどこで、何歳から通えますか?
A. 東京都大田区の青空キッチン大田区久が原校・大森校で開講しており、3歳から小学6年生までの子どもたちが通っています。


青空キッチンで、お子さまの「考える力」を育てませんか

緊張しやすい子も、自分のペースで一歩を踏み出せる場所を大切にしています。青空キッチン大田区久が原校・大森校では、幼児から小学生までの子どもたちが、「食」を教材に考える力・生きる力を育んでいます。体験レッスンを随時受け付けています。

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食と学ぶとでは、延べ8,000名の子どもたちを指導してきた実績と薬剤師としての医療の視点をいかし、食育セミナー・親子イベントの企画運営、講演、コラムの執筆・監修を承っています。

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この記事を書いた人

石井 千賀子(いしい ちかこ)


食と学ぶと 代表/子どもの食育スクール「青空キッチン」大田区久が原校 主宰(2019年〜)/薬剤師

病院薬剤師としての経験と子育ての経験から、「食」を通して子どもの考える力・生きる力を育む活動をしている。延べ8,000名の子どもたちを指導し、生徒120名のスクールに成長。協会大賞など4賞を受賞。キッズコーチングの手法を学び、子どもの気持ちに寄り添う声かけをレッスンに取り入れている。AERA Woman スペシャルサポーター(第2期)。AERA、AERA with Kids、InRedなどの雑誌やJ:COMでも活動が紹介されている。