子どもに魚の栄養、どう伝える?サバ缶で気軽に始める親子の食育

こんにちは。東京都大田区久が原で子どもの食育スクール『青空キッチン』を主宰している、食と学ぶと 代表・薬剤師の石井千賀子です。
「魚は体にいいって聞くけれど、子どもにどう伝えたらいいの?」と思ったことはありませんか。子どもに魚の栄養を伝えるのに、むずかしい栄養素の名前を覚えなくても大丈夫です。「食べると体がどうなるのかな?」と親子で想像してみるだけで、魚がぐっと身近になります。
秋は、秋刀魚など、魚がおいしくなる季節ですね。今回は、青空キッチンで子どもたちと作った「鯖そぼろ丼」のレッスンから、サバ缶ひとつで気軽に始められる魚の食育をご紹介します。
この記事のポイント
・子どもに魚の栄養を伝えるときは、栄養素の名前より「食べると体がどうなるか」を一緒に想像するのがおすすめです。
・さばの水煮缶は下ごしらえが少なく骨まで食べられるので、子どもと魚料理を始める入り口にぴったりです。
・ごはん・野菜・タンパク質がそろった一皿を自分で作ると、子どもは楽しみながら栄養バランスの感覚を身につけていきます。
子どもに魚の栄養、どう伝える?
子どもに魚の栄養を伝えるなら、「食べると体がどうなるか」をイメージできる言葉にしてみるのがおすすめです。
以前、青空キッチン大田区久が原校のレッスンで「鯖そぼろ丼」を作ったことがあります。私はまず、さばという魚のことや、お魚を食べると体にどんないいことがあるかを、子どもたちに聞いてみました。
すると、「きんにくもりもりになるーーー!」と元気いっぱいの答えが返ってきました。ある男の子は、「タンパク質」という栄養の名前をちゃんと覚えていました。
私からは、さばに含まれるDHA(ドコサヘキサエン酸)とEPA(エイコサペンタエン酸)のお話をしました。とはいえ、カタカナの長い名前は大人でも覚えにくいですよね。そこで、「たくさん覚えられたり、賢くなるんだよ」「血がサラサラになるんだよ」と、子どもがイメージしやすい言葉に置きかえて伝えました。
栄養の名前を正しく覚えることより、「食べてみたい」「もっと知りたい」という気持ちが育てば十分だと、私は思っています。おうちでも、「お魚は筋肉のもとになるんだって」くらいの、ゆるい会話で大丈夫です。
薬剤師から、DHA・EPAについてひとこと
薬剤師として、少しだけ補足させてください。DHAとEPAは主に魚の脂に含まれる脂肪酸で、体のさまざまな働きに関わる栄養素です。
ただ、ひとつの食品を食べたから頭が良くなる、病気にならない、というものではありません。子ども向けの言葉は「興味を持つきっかけ」として使い、毎日の食事の中でゆったり整えていけたら十分です。完璧をめざさなくて大丈夫ですよ。
お子さまの食事の量や体調で気になることがあるときは、ひとりで抱えずに、かかりつけの医師や薬剤師に気軽に相談してくださいね。
サバ缶なら、子どもと魚料理を気軽に始められます
鯖そぼろ丼のレッスンでは、さばの水煮缶を使いました。水煮缶なら調理がぐっと簡単になりますし、骨まで食べられるのもうれしいところです。
生の魚は、うろこや骨の処理があって、子どもと一緒に扱うには少しハードルが高く感じますよね。サバ缶なら、子どもがほぐしたり混ぜたりするところから、気軽に魚料理に参加できます。「魚料理って意外とかんたん!」と親子で感じられるのが、サバ缶を使った食育のいいところです。
レッスンに参加したお母さんからは、「缶詰買って帰ろうかしら」という声も聞こえてきました。青空キッチンではレッスンのレシピを持ち帰れるので、おうちでもう一度作ってみることができます。
青梗菜の名前当てクイズで、野菜にも興味が広がります
さて、魚からは少し話が逸れますが、鯖そぼろ丼に合わせた野菜は、青梗菜(チンゲンサイ)です。幼児クラスでは茹でた青梗菜を使い、丸のままの青梗菜も用意して、名前当てクイズをしてみました。
青梗菜は、ほうれん草や小松菜に比べると、食卓に出る機会が少ない野菜かもしれません。実は私自身も、ほうれん草や小松菜のほうがなじみがあります。
子どもたちの答えは、「だいこんのはっぱ!」「はくさい」など。その前のレッスンで白菜を使っていたので、白菜の名前を覚えていてくれたことが、とてもうれしかったです。
正解しなくても大丈夫です。丸ごとの野菜を見て、触って、「なんだろう?」と考える時間そのものが、食べ物への興味の入り口になります。スーパーで「この野菜、なんて名前だと思う?」とクイズにしてみるのも楽しいですよ。
なぜ子どもは栄養バランスの感覚を身につけられるの?
子どもが栄養バランスの感覚を身につけられるのは、自分で作った一皿の中身を、目で見て、食べて確かめるからです。
鯖そぼろ丼の試食のとき、ある男の子が「ごはんもあって、お野菜もあって、タンパク質もあって最高だね!」と言ってくれました。
栄養バランスの感覚とは、目の前の食事に「ごはん・野菜・タンパク質」がそろっているかに、自分で気づける力のことです。男の子の一言を聞いて、教えられた知識としてではなく、作って食べる体験の中で自然に身についているんだなと、とてもうれしくなりました。
おうちで気軽にできる、魚の食育3つのステップ
むずかしいことをしなくても、魚の食育はおうちで気軽に始められます。できそうなものから、ひとつだけ試してみてくださいね。
1. 食べると体がどうなるか、ひとこと添えてみる
「お魚は筋肉のもとになるんだって」くらいの、軽いひとことで十分です。
2. サバ缶で、ほぐす・混ぜるをお願いしてみる
下ごしらえの少ない食材なら、子どもにお任せできる工程がぐんと増えます。
3. 食べる前に、お皿の中を一緒にのぞいてみる
「ごはんはどれかな?お野菜は?タンパク質は?」と、クイズのように聞いてみます。
全部できなくても大丈夫です。忙しい日は、食卓でひとこと話すだけでも立派な食育になります。
私がレッスンで大切にしているのは、親の手が離れたあとでも、子どもが自分で食べるものを選び、自分のことも、大切な誰かのことも守れる人になってほしいという想いです。その力は、毎日の食卓での小さな会話から、少しずつ育っていくものだと思っています。
まとめ
子どもに魚の栄養を伝えるのに、むずかしい知識は必要ありません。「食べると体がどうなるかな?」と一緒に想像して、サバ缶のような手軽な食材で作ってみる。それだけで、子どもは楽しみながら栄養バランスの感覚を身につけていきます。青空キッチン大田区久が原校でも、お母さんと一緒に、子どもたちの「食べるって面白い!」を応援していきます。
よくある質問
Q. 子どもに魚の栄養は、どう伝えればいいですか?
A. 栄養素の名前を覚えなくても大丈夫です。「食べると体がどうなるか」をイメージできる言葉で、会話の中で軽く伝えるのがおすすめです。
Q. 子どもと魚料理を作るなら、何から始めればいいですか?
A. さばの水煮缶のように、下ごしらえが少ない食材から始めるのがおすすめです。ほぐす・混ぜるなど子どもにお任せできる工程が多く、骨まで食べられるのもうれしいポイントです。
Q. 青空キッチンはどこで、何歳から通えますか?
A. 東京都大田区の青空キッチン大田区久が原校・大森校で開講しており、3歳から小学6年生までの子どもたちが通っています。体験レッスンも随時受け付けていますので、お気軽にどうぞ。
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食と学ぶとでは、延べ8,000名の子どもたちを指導してきた実績と薬剤師としての医療の視点をいかし、食育セミナー・親子イベントの企画運営、講演、コラムの執筆・監修を承っています。
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この記事を書いた人

石井 千賀子(いしい ちかこ)
食と学ぶと 代表/子どもの食育スクール「青空キッチン」大田区久が原校 主宰(2019年〜)/薬剤師
病院薬剤師としての経験と子育ての経験から、「食」を通して子どもの考える力・生きる力を育む活動をしている。延べ8,000名の子どもたちを指導し、生徒120名のスクールに成長。協会大賞など4賞を受賞。キッズコーチングの手法を学び、子どもの気持ちに寄り添う声かけをレッスンに取り入れている。AERA Woman スペシャルサポーター(第2期)。AERA、AERA with Kids、InRedなどの雑誌やJ:COMでも活動が紹介されている。