1歳・2歳で牛乳が苦手でも大丈夫?カルシウムが多い食べ物と離乳食・幼児食の工夫

1歳半健診で牛乳を飲みましょうと言われたのですが、子どもが牛乳を苦手で……。
どうしたらいいですか?
離乳食や幼児食の相談で、こんなお悩みを耳にすることがあります。
1歳半健診などで牛乳について話を聞き、子どもの成長のために飲ませたほうがよいとわかっていても、本人が嫌がると困ってしまいますよね。
「牛乳を飲まないと、カルシウムが足りなくなるのでは?」
「身長や骨の成長に影響しないかな?」
「無理にでも飲ませたほうがいいの?」
毎日の食事を用意するだけでも忙しいなか、栄養のことまで考えると、不安になるお母さんもいらっしゃると思います。
でも、牛乳が苦手だからといって、無理に飲ませることだけを考えなくても大丈夫です。
カルシウムは牛乳だけに含まれている栄養素ではありません。ほかの食材にも目を向けると、毎日の食事に取り入れられる方法が見つかることがあります。
今回は、管理栄養士・子どもの食育専門家の視点から、1歳・2歳の子どもが牛乳を苦手とするときに知っておきたいことや、カルシウムを含む食材、離乳食・幼児食での取り入れ方をご紹介します。
1歳・2歳の子どもにカルシウムが必要な理由

カルシウムは、骨や歯をつくるために欠かせない栄養素です。
子どもの体は成長の途中にあり、骨や歯も発達していきます。また、カルシウムは筋肉の働きや神経の情報伝達にも関わっています。
そのため、成長期の子どもにとって、毎日の食事からカルシウムを摂ることは大切です。
牛乳はカルシウムを摂りやすい食品のひとつです。手軽に飲めることもあり、幼児期の食事に取り入れられることがよくあります。
ただし、子どもの成長を支える栄養素はカルシウムだけではありません。たんぱく質やビタミンDなど、さまざまな栄養素も関わっています。
牛乳を飲むことだけに注目するのではなく、普段どのような食品を食べているか、食事全体に目を向けてみると、ほかにもできる工夫が見つかるかもしれません。
1歳・2歳で牛乳が苦手なとき、無理に飲ませる必要はある?
子どもが牛乳を嫌がる理由はさまざまです。
牛乳独特のにおいや味が苦手な子もいれば、口に入れたときの感触や、冷たさが気になる子もいます。
また、これまで飲む機会が少なかったため、慣れていないという場合もあります。
大人にとっては何でもない味やにおいでも、子どもにとっては気になることがあります。食べ物や飲み物の好みには個人差があり、成長とともに変化することもあります。
そのため、牛乳が苦手な場合は、まず「この子は牛乳が苦手なんだな」と受け止めてみるのもひとつです。
嫌がっているのに無理に飲ませようとすると、牛乳そのものや食事の時間が苦手になってしまうこともあります。
牛乳を飲むことだけを目標にせず、ほかの食品からカルシウムを摂る方法もあります。
なお、1歳未満の赤ちゃんでは、牛乳を飲み物として与えることと、料理の材料として少量使うことでは考え方が異なります。月齢や発達に応じた進め方については、健診などで案内される内容も参考になります。
牛乳以外にもある!カルシウムを含む食べ物5選

牛乳が苦手な子どもでも、ほかの食材からカルシウムを摂ることができます。
ここでは、離乳食後期から幼児食にも取り入れやすい食材を5つご紹介します。食べられるものや料理の好みに合わせて、選択肢のひとつとして参考にしてみてください。
① ヨーグルト
ヨーグルトは、カルシウムを含む乳製品です。牛乳は苦手でも、ヨーグルトなら食べられるという子もいます。
そのまま食べるほか、果物と合わせたり、やわらかくした食材に添えたりする方法もあります。
甘味のついた商品は砂糖の量にも目を向け、日常的には無糖タイプなども選択肢になります。乳製品にアレルギーがある場合は、医師などの指示に沿って対応することが大切です。
② チーズ
チーズもカルシウムを含む食品です。少量でも料理に取り入れやすく、子どもの好みに合えば便利な食材です。
細かくして野菜に混ぜたり、食べ慣れた料理に加えたりすると、いつもの食事のなかで楽しめます。
商品によって塩分量が異なるため、幼児期には塩分の少ないものを選ぶなどの配慮も役立ちます。食べるときは、年齢や発達に合わせて大きさや形を調整してください。
③ 豆腐・厚揚げ
豆腐や厚揚げなどの大豆製品も、カルシウムを摂るための選択肢です。特にカルシウムを多く含むタイプの豆腐もあります。
豆腐はやわらかく、離乳食や幼児食に取り入れやすい食材です。みそ汁やスープに入れたり、野菜と一緒に煮たりすると、食べ慣れた料理のなかで取り入れられます。
厚揚げは、商品や調理方法によって食感が異なります。子どもが食べやすいよう、十分に加熱し、発達に合った大きさややわらかさに整えると安心です。
④ 小松菜などの葉物野菜
小松菜などの葉物野菜にもカルシウムが含まれています。
野菜が苦手な子どもの場合は、細かく刻んでスープや卵料理に加えるなど、食べ慣れたメニューに取り入れる方法があります。
やわらかく煮てから細かくすると、食べやすくなることもあります。
一度にたくさん食べることを目指すよりも、普段の食事のなかで少しずつ触れる機会があると、野菜に親しむ経験にもつながります。
⑤ しらすなどの小魚
しらすなどの小魚も、カルシウムを含む食品です。
ごはんに混ぜたり、豆腐や野菜と合わせたりすると、さまざまな料理に使えます。
しらすは塩分を含むため、幼児期には塩分量に配慮し、必要に応じて湯通しするなどの工夫もできます。
魚の種類や加工方法によって骨の状態や食感が異なるため、子どもが食べやすい形になっているかを確認することも大切です。
離乳食・幼児食でカルシウムを取り入れる工夫

カルシウムを含む食材を知っていても、毎日の献立に取り入れるのはなかなか大変ですよね。
忙しい日には、特別な料理を用意しなくても、いつもの食事に少し加える方法があります。
例えば、次のような組み合わせです。
- みそ汁やスープに豆腐や小松菜を入れる
- ごはんにしらすを混ぜる
- 食べ慣れた野菜料理にチーズを加える
- おやつの時間にヨーグルトを取り入れる
どれも、子どもの好みや家庭の食事に合わせて選べる方法です。
新しい食材や料理を一度にたくさん試す必要はありません。食べ慣れているものに少し加えるだけでも、食事の選択肢は広がります。
また、子どもが食べにくそうな様子であれば、やわらかく煮る、細かく刻むなど、食べやすい形に調整する方法もあります。
食材の種類だけでなく、かたさや大きさ、口に入れたときの感触も、子どもが食べやすいと感じるかどうかに関わります。
食べる量や好みは日によって変わることもあります。ある日の食事だけで判断せず、数日単位でどのようなものを食べているか振り返ると、食事全体を考えるヒントになるかもしれません。
カルシウムはビタミンDなどの栄養素との組み合わせも大切
カルシウムについて考えるときには、ほかの栄養素にも目を向けたいところです。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助ける働きがあります。鮭などの魚やきのこ類に含まれているため、こうした食材も普段の食事に取り入れられるとよいですね。
また、成長期の子どもには、たんぱく質やエネルギーなど、体の成長を支えるさまざまな栄養素も必要です。
特定の食品だけで栄養を補おうとするよりも、主食、主菜、副菜などを組み合わせながら、いろいろな食品に親しむことが大切です。
毎食きれいにそろえるのが難しい日もあると思います。できる範囲で食材の種類を増やしたり、別の食事で補ったりする考え方も、忙しい毎日の助けになります。
1歳・2歳の子どもが牛乳を飲まないときによくある疑問
Q.1歳半で牛乳を飲まないと、カルシウム不足になりますか?
牛乳を飲まないという理由だけで、カルシウムが不足しているとは限りません。
ヨーグルトやチーズ、豆腐、小松菜、小魚など、ほかの食品からもカルシウムを摂ることができます。
ただし、食べられる食品がかなり限られている場合や、成長について心配がある場合は、食事の内容や体重・身長の推移も含めて、健診や医療機関で相談すると安心です。
Q.豆乳を牛乳の代わりにすればよいですか?
豆乳にもたんぱく質などの栄養素が含まれていますが、牛乳とは栄養成分が異なります。また、豆乳であれば必ずカルシウムを十分に摂れるとは限りません。商品によってカルシウムの含有量も異なります。
牛乳の代わりとして考える場合は、年齢や食事全体の内容に合わせて検討することが大切です。1歳・2歳の子どもの食事について迷ったときは、健診や管理栄養士などに相談する方法もあります。
Q.ヨーグルトやチーズが食べられれば安心ですか?
ヨーグルトやチーズはカルシウムを含む食品ですが、それだけで食事全体の栄養が十分に整うとは限りません。
主食や野菜、肉・魚・大豆製品なども含め、食べられる食品の種類や量を全体的に見ていくことが大切です。
牛乳を飲むことだけを目標にしなくても大丈夫

子どもが食べてくれないと、「どうしたら食べてくれるのだろう」「栄養は足りているのかな」と心配になりますよね。
特に、健診で勧められた食品を子どもが嫌がると、親としては不安になってしまうものです。
でも、食べられるものや食べ方は、子どもによって違います。
牛乳が苦手なら、ほかの食材に目を向けてみる。食べ慣れた料理に少し加えてみる。今日は食べられなくても、また別の日に出会う機会がある。
そんな小さな積み重ねも、子どもの食べる経験につながっていきます。
食事は、栄養を摂るためだけのものではありません。食材の色や香り、手触り、味に触れながら、子どもが食べることを知り、楽しんでいく大切な時間です。
毎日の食事に、正解を求めすぎなくても大丈夫です。
牛乳を飲ませることだけを目標にするのではなく、お子さんに合った方法を見つけながら、食べる経験を重ねていけるといいですね。
管理栄養士・子どもの食育専門家として、子どもとご家族が食事の時間を少しでも安心して楽しめるよう、これからもお手伝いしていきたいと思います。
講座・研修のご依頼について
離乳食講座・親子向け食育講座を承っています

管理栄養士としての知識と、子どもたちへの食育活動の経験を活かし、離乳食や子どもの食に関する講座を行っています。自治体・子育て支援施設・企業などのご要望に合わせて、講座内容をご提案いたします。
参考資料
厚生労働省「授乳・離乳の支援ガイド(2019年改定版)」、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」、文部科学省「日本食品標準成分表」※本記事は一般的な情報を紹介するものであり、個々のお子さんの発達や健康状態を診断するものではありません。食べ方や成長について心配がある場合は、かかりつけの小児科や自治体の相談窓口などをご利用ください。

執筆:住澤陽子
管理栄養士/キッズ食育トレーナー/離乳食アドバイザー
地域に根差した食育活動への想いから、キャリアアップを目的にキッズ食育トレーナー資格を取得。双子育児の真っ最中に直面した、時間確保という大きな課題を克服し、自分のペースで学び続け、全国の仲間との出会いと、子どもたちや家族の笑顔との出会う。現在は子どもの食育に特化した活動を展開。管理栄養士としての専門知識と、食育スクールでの経験、子育ての実体験を活かした子育中のママに寄り添う視点が評価されている。