お箸は何歳から?「お箸デビュー」を楽しく応援する食育セミナーで伝えたこと

「保育園でお箸の練習が始まったけれど、家でも練習させたほうがいいのかな……。」
「お箸デビューしたのに、うまくいかないからか、嫌がるようになってしまって……。」
お箸をテーマにしたオンラインの食育セミナーで、参加した保護者の方から実際に寄せられたご相談です。
その気持ちはよく分かります。
じつは私も、我が子が小さかったころ、「箸 何歳から」「箸 3歳 選び方」と何度も検索していました。
「お箸は何歳から?」という問いに、全員に当てはまる一つの答えはありません。
お箸は、食事を気持ちよく楽しむための道具です。
子どもの心と体の発達を見ながら、楽しく始めること。
私はそれがいちばん大切だと考えています。
東京都大田区久が原で子どもの食育スクール『青空キッチン』を主宰している、食と学ぶと 代表・薬剤師の石井千賀子です。
実りの秋は、食卓の話題も増える季節ですね。
今回は、ママたちをつなぐコミュニティサイト「Link Mam」のオンラインセミナーに講師として登壇したときのことをもとに、お箸デビューの応援のしかたをお伝えします。
子育て世代向けのセミナーや講演をお考えの企業・行政・園の皆さまにも、ぜひ読んでいただけたらうれしいです。
この記事のポイント
・「お箸は何歳から?」に一律の答えはなく、子どもの心と体の発達を見ながら楽しく始めることが大切です。
・お箸は練習のための道具ではなく、食事を気持ちよく楽しむための道具です。
・お箸のような身近なテーマは、子育て中の保護者の悩みに直接届き、子育て世代向けの食育セミナーにも向いています。
「お箸は何歳から?」に、決まった答えはありますか?
全員に当てはまる、決まった答えはありません。
「周りの子はもう使っているのに……。」
「保育園で始まったから、うちも急がないと。」
そう感じて、焦ってしまったことはありませんか?
実はお箸を使うためには、指先を細かく動かす力が必要です。
さらに、「やってみたい」という気持ちや、うまくいかなくても続けてみようとする気持ちも関わってきます。
指先の育ちも、気持ちの育ちも、子どもによってペースがちがいます。
同じ年齢でも、すぐに持てる子もいれば、時間がかかる子もいるのは自然なことです。
一般的に、2歳ごろから「持ちたい」「持ってみたい」という気持ちはムクムクと湧いてくるともいわれてきます。ですがここで大事なのは「ママやおにいちゃんたちの『まねっこ』をしてみたい」「ただにぎってみたい」という気持ちの可能性があるということです。
正しく持つ
という意識を持つことは年齢的に難しいでしょう。
さらには、正しくお箸を動かすために必要な筋肉は、4歳を越えたころから備わってくるともいわれています。
つまり、心と体両方のバランスが整った時に初めて「お箸を使える」となるのです^^
だから私は、子どもの心の発達と体の発達を見極めて、楽しく練習を始めることを大切にしています。
お箸は「練習するもの」ではなく「食事を楽しむ道具」

お箸デビューとは、子どもが食事の中でお箸を使い始める、最初の一歩のことです。
最初の一歩だからこそ、つい力が入ってしまいますよね。
持ち方を直す。こぼしたら注意する。「もう一回やってみて」と声をかける。
気づけば、ごはんの時間が「お箸の練習の時間」になっていることもあります。
何事も最初が肝心だから!!!
正直、私自身長男が3,4歳のころはこのように思っていたように記憶しています(;^ω^)
でも、お箸はあくまで、食事を気持ちよく楽しむためのツールなのですよね。
上手に持つことが目的になると、子どもにとってお箸は「できないことを言われる道具」になってしまうかもしれません。
セミナーでも、この「目的を見失わないこと」をいちばん大切にお話ししました。
0〜3歳の子を育てるママたちと考えた「お箸デビュー」
セミナーのテーマは、「お箸デビューを応援!毎日の食事を楽しくするためのABC」。
平日の昼間の開催でしたが、17名の方にお申し込みいただきました。
約1時間の講座でお話ししたのは、次のような内容です。
・お箸の使い方
・なぜ、お箸を使うとよいのか
・そもそも、子どもの食育とは何か
・具体的に、どんな方法と言葉がけで子どもに伝えるとよさそうか
お伝えした方法や声かけは、我が子や食育スクールの生徒さんとの経験をふまえたものです。
持ち方のテクニックだけでなく、「どうしてお箸なのか」「食べることをどう楽しむか」まで一緒に考える時間にしました。
保育園で練習が始まったら、家でも練習させたほうがいい?
家で「練習」を増やすより、まずは家のごはんを楽しい時間にすることを大切にしてみてください。
保育園でお箸の練習が始まると、「家でもやらせたほうがいいのかな」と迷いますよね。
セミナーでも、同じご相談がありました。
ほかにも、「お箸デビューしたけれど、うまくいかないからか嫌がるようになった」「矯正箸でないと使ってくれない」という声も寄せられました。
子どもは、うまくいかない経験が続くと、その道具自体を避けたくなることがあります。
家でも園でも「練習」が続くと、お箸に触れるたびに「できない自分」を感じてしまうかもしれません。
だからこそ、家では「お箸を使うと楽しいね」「おいしいね」と感じられる時間をつくることが、遠回りのようで近道になると私は感じています。
参加者の声「ご飯の時間しあわせ~と感じてほしい」
セミナーのあと、参加者アンケートでは、講座の内容、講師の人柄や話し方、運営の司会・進行、雰囲気のすべての項目で、総合評価オール10をいただきました。
とてもうれしく、ありがたい結果です。
寄せられた感想の一部をご紹介します。
「お箸を使うと楽しんだよ~、おいしいんだよ~と教えたいと思いました!」
「娘がご飯の時間しあわせ~と感じてほしいです!」
保育園での練習をきっかけに、お箸が大嫌いになってしまったお子さんのママからは、「うさぎちゃんこんにちはできるかな~」のような、遊び感覚の声かけから始めてみたいという声もいただきました。
「上手に持たせなきゃ」から、「ごはんの時間を幸せに」へ。
保護者の方の目線が変わると、子どもの食卓の空気も変わっていきます。
セミナーの1時間が、そのきっかけになったことを感じました。
今日からできる、家庭での5つの工夫
どれも小さなことばかりです。
一つだけでも十分です。
① 「練習しよう」ではなく、「お箸でも食べてみる?」と誘ってみる
お箸を出すのは、食べたい気持ちがあるときだけで大丈夫です。
「今日はお箸さんも一緒に食べる?」と、子どもが選べる形で声をかけてみてください。
② 嫌がるときは、思い切ってお休みしてみる
スプーンやフォークに戻しても、後戻りではありません。
「今日はスプーンの気分なんだね。」と受け止めて、また楽しめそうな日に出してみてくださいね。
③ 遊び感覚の声かけから始めてみる
参加者の方の声にあった「うさぎちゃんこんにちはできるかな~」のように、お箸を動かすこと自体を遊びにしてみてください。
「パクパクできるかな?」と、食事以外の時間に試してみるのもおすすめです。
④ 大人がおいしそうにお箸で食べる姿を見せる
子どもは、大人のしていることをよく見ています。
「お箸で食べると、おいしいね。」と、楽しそうに食べる姿を見せるだけでも十分です。
⑤ 「上手に持てたね」ではなく、「自分で食べてみたね」
持ち方の上手さより、「やってみた」ことを認めてみてください。
「お箸で食べてみたんだね。」のひと言が、次の「やってみたい」につながります。
おわりに
薬剤師として子どもの体の育ちを考え、食育実践家として子どもたちと向き合ってきた中で、私が大切にしていることがあります。
それは、道具や方法よりも先に、「食べることは楽しい」という気持ちを育てることです。
お箸を上手に使えるようになるまでの道のりは、子どもによってさまざまです。
どんなペースでも、ごはんの時間が子どもにとって「しあわせな時間」であってほしい。
自分でやってみようとする力は、そんな安心できる食卓から育っていくと信じています。
まとめ
「お箸は何歳から?」に、決まった答えはありません。
お箸は、食事を気持ちよく楽しむための道具です。
うまく持てなくても大丈夫。焦らなくても大丈夫です。
子どもの心と体の発達を見ながら、「楽しいね」「おいしいね」を大切に、お箸デビューを応援してみてください。
食と学ぶとでは、こうした家庭の食の悩みに寄り添う食育セミナーを、企業・行政・教育機関の皆さまと一緒につくっています。
よくある質問
Q. お箸は何歳から始めればいいですか?
A. 全員に当てはまる決まった年齢はありません。年齢だけで決めるのではなく、子どもの心と体の発達を見ながら、食事を楽しめる形で始めることを大切にしています。
Q. 保育園でお箸の練習が始まったら、
A. 家で「練習」を増やすより、まずは家のごはんを楽しい時間にすることを大切にしてみてください。お箸を使うと楽しい、おいしいと感じられる経験が、次の「やってみたい」につながります。
Q. 大田区で、子育て世代向けの食育セミナーを依頼できますか?
A. はい、大田区久が原を拠点とする食と学ぶとでは、食育セミナー・親子イベントの企画運営、講演、コラムの執筆・監修を承っています。対面・オンラインのどちらでもご相談いただけます。
子育て世代向けの食育セミナーに「お箸」のテーマが向いているのは、なぜ?
毎日の食卓で、多くの保護者が実際に悩んでいる身近なテーマだからです。
お箸は、どの家庭でも毎日使う道具です。
そして、「何歳から?」「どう教える?」「嫌がったら?」と、子どもの年齢が近い保護者の多くが同じところで迷います。
身近な悩みから入ると、参加者は「自分のための話だ」と感じやすく、セミナーの後に家庭ですぐ試すことができます。
今回のように、平日の昼間のオンライン開催でも、育休中のママたちに参加していただけました。
オンラインなら、小さな子を育てていて外出しにくい方にも届けやすいと感じています。
食と学ぶとでは、対面・オンラインのどちらでも、セミナーや講演をお受けしています。
薬剤師としての視点と、青空キッチン大田区久が原校で子どもたちと向き合ってきた経験をいかし、テーマや参加者に合わせて内容を組み立てます。
たとえば、次のような場面で、お役に立てるのではないかと考えています。
・企業の子育て支援や、育休中・復職前の社員向けのセミナー
・幼稚園・保育園の保護者向けの食育講座
・行政や地域の子育て支援の場での講演
企業・教育機関・行政の皆さまへ
子育て中の社員や保護者の方に向けて、身近な「食」の悩みに寄り添うセミナーをお考えではありませんか。
食と学ぶとでは、延べ8,000名の子どもたちを指導してきた実績と薬剤師としての医療の視点をいかし、食育セミナー・親子イベントの企画運営、講演、コラムの執筆・監修を承っています。
青空キッチンで、お子さまの「考える力」を育てませんか
お箸も包丁も、「やってみたい」から始まります。
青空キッチン大田区久が原校・大森校では、幼児から小学生までの子どもたちが、「食」を教材に考える力・生きる力を育んでいます。体験レッスンを随時受け付けています。
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この記事を書いた人

石井 千賀子(いしい ちかこ)
食と学ぶと 代表/子どもの食育スクール「青空キッチン」大田区久が原校 主宰(2019年〜)/薬剤師
病院薬剤師としての経験と子育ての経験から、「食」を通して子どもの考える力・生きる力を育む活動をしている。延べ8,000名の子どもたちを指導し、生徒120名のスクールに成長。協会大賞など4賞を受賞。キッズコーチングの手法を学び、子どもの気持ちに寄り添う声かけをレッスンに取り入れている。AERA Woman スペシャルサポーター(第2期)。AERA、AERA with Kids、InRedなどの雑誌やJ:COMでも活動が紹介されている。