幼児の習い事の選び方。3歳から通うなら「想い」も選ぶ一つの基準

「3歳になったし、そろそろ何か習い事を始めたほうがいいのかな……。」
「まわりのお友だちは、もう通っているみたい。でも、何を選べばいいのか分からない。」
幼児の習い事の選び方は、食育スクールや食育講座で、保護者の方からよくいただく相談の一つです。
その気持ちはよく分かります。小さいうちの習い事は、子ども自身ではなく親が選ぶことがほとんどです。だからこそ、「これで合っているのかな」と迷ってしまいますよね。
この記事では、私が考える幼児の習い事の選び方をお伝えします。私は、わが子2人の習い事、食育スクールの運営、そして、AERA with Kidsなどでの教育者の先生方とのかかわりなどで、子どもを産む前と今では、習い事に対する感覚が大きく変わりました。
結論から言うと、私は「何を習うか」と同じくらい、「誰が、どんな想いで子どもに向き合っているか」を大切にするようになったのです。教育は、子どもの未来への投資です。だからこそ、心から応援したくなる場所を選んでほしいと思っています。
東京都大田区久が原で子どもの食育スクール「青空キッチン」を主宰している、食と学ぶと 代表・薬剤師の石井千賀子です。秋は、来年度に向けて新しい習い事を考え始める方も多い季節かもしれません^^
この記事のポイント
・教育は子どもの未来への投資です。私はドライな言い方をすると「元本割れがなく、プラスになることが多い投資」だと考えています。
・幼児の習い事は、「まわりがやっているから」だけでなく、「指導者がどんな想いで子どもに向き合っているか」で選ぶのがおすすめです。
・3歳の「できなかった」も、ちょっとした工夫と声かけで、次の「できた!」につながる大切な経験になります。
「教育は投資」と考えると、習い事の見え方が変わる
私は、教育は投資だと思っています。
「投資」と聞くと、少しドキッとするかもしれません。お金をたくさんかけたほうがいい、という意味ではありませんので、安心してくださいね。
私が考える教育という投資は、元本割れがない投資です。成果の出方に差はあっても、多くの場合はプラスになります。子どもが何かを体験して、心が動いた時間は、すぐに目に見えなくても、その子の中にちゃんと残っていくと感じています。
私が考える「教育への投資」とは、子どもの少し先の未来がワクワクするものになるように、想いに共感できる場所や人を選び、応援することです。
教育を投資と考えると、習い事選びの見え方が少し変わってきます。「何ができるようになるか」だけでなく、「この習い事をすると、子どもの未来がどう輝くか」という目線が加わるからです。
「まわりがやっているから」で選ぶのは、悪いこと?
お子さまの習い事を選ぶとき、「なんとなくプール」「みんなピアノを始めたから」「○○ちゃんがいってるから」という理由で選んでみる。というのも、決して悪いことではないとおもいます。ただ、ほかにも「選ぶ理由」はあっていいような気がしています。
習い事を選ぶとき、こんな声が頭に浮かぶことはありませんか。
「まわりがやっているから、同じ習い事をする。」
「〇歳になったら、これはやらなきゃね。」
「小学校までに、ひらがなや計算ができないと困る。」
こうした声はどれも、子どもを思う親心から出てくる気持ちです。私も母として、その気持ちはよく分かります。
一方で、幼児期の子どもは、興味を持つものも、できるようになるペースも、一人ひとり違います。同じ3歳でも、はさみが得意な子もいれば、まだ少し怖い子もいます。年齢や「みんな」を基準にすると、目の前のわが子の「今」が見えにくくなることがあります。

「〇歳だから、これをやらせなきゃ」ではなく、「この子は今、何に目を輝かせている?」と見てみる。それだけでも、習い事選びがぐっと楽になるのではないでしょうか。
幼児の習い事選びで、私が大切にしている基準とは?
指導者やオーナーが、どんな想いで子どもに向き合っているかです。
私は、習い事を選ぶときの基準の一つとして、「少し先の未来に、子どもの目を輝かせてくれるかどうか」を大切にしたいと思っています。
小さな子どもほど、そばにいる大人の影響を大きく受けます。安心できる大人がそばにいると、子どもは新しいことにも挑戦しやすいと言われています。反対に、緊張したり、怖いと感じたりすると、本来の力を出しにくくなります。だからこそ、教える内容と同じくらい、「教える人」が大切だと考えています。

体験レッスンに行ったら、先生が子どもの「できない」にどう声をかけているかを、そっと見てみてくださいね。「早くして」ではなく、「ゆっくりで大丈夫だよ」と待ってくれるか。うまくいかなかったときに、「次はどうしたらいいかな?」と一緒に考えてくれるか。先生の言葉の中に、その教室の想いが表れています。
だから私は、青空キッチンでも、子ども一人ひとりの少し先の未来を想像しながら向き合うことを大切にしています。
3歳の「できなかった」は、次の「できた!」の原動力になる
「3歳で料理なんて、まだできないのでは?」そう思ったことはありませんか。
たしかに、3歳の子どもにとって、料理の動作は簡単ではありません。でも、だからこそ学びがたくさん詰まっています。
牛乳を計量カップに入れる。
卵を割る。
計量スプーンで砂糖をはかる。
泡立て器でまぜる。
大人にとっては何気ない動作も、3歳の子どもにとっては一つひとつが挑戦です。そして、どの動作も、ちょっとした工夫と声かけで、「できなかった」経験にもなるし、「できた!」経験にもなります。
3歳ごろは、手や指の細かい動きが育っていく途中の時期です。自分でやってみて「できた」と感じる経験は、「またやってみたい」という意欲につながりやすいと言われています。
では、うまくいかなかったときは、どうでしょうか。私は、できなかったとしても、その経験をプラスの気持ちに変えて、次につながる原動力にできれば大成功だと考えています。
たとえば、牛乳がこぼれてしまったとき。「あーあ、こぼれちゃった。」ではなく、「どうしたら、こぼれないかな?」と聞いてみる。卵の殻が入ってしまったときも、「失敗しちゃったね。」ではなく、「自分で割ってみたんだね。」と、挑戦した気持ちを受け止めてあげる。
そうすることで、子どもたちの気持ちは前を向くと信じています。だから私は、3歳の子どもが失敗も成功も両方経験できる環境を、ちょっとした工夫と声かけでつくることを大切にしています。
料理の習い事で育つ「人間力」とは?
青空キッチンは、「料理」を通して子どもの「人間力」を育む場所です。
料理の習い事というと、包丁が上手に使えるようになる、レシピを覚える、といったイメージがあるかもしれません。もちろん、それも大切な経験です。でも、私が見ているのは、もう少し先の未来です。
少し先の未来に、子どもが毎日楽しく食卓についてくれる未来。
「おいしいね!」と一緒に食べる夕飯。
旅先でコンビニではなく、その土地のおいしいものを一緒に食べる未来。
そんな未来があったら、子育てっていいなあと思うのです。
今日からできる、家庭での5つの工夫
習い事を始める前でも、おうちでできることはたくさんあります。どれも小さなことで大丈夫です。一つでもできたら、それだけでも十分です。
① 「何を習わせる?」の前に、子どもが目を輝かせる瞬間を見てみる
絵本、外遊び、お手伝いなど、わが子が夢中になる場面を探してみましょう。「何をしているときが楽しい?」と聞いてみるのもおすすめです。
② 体験レッスンでは、先生の声かけに耳をすませてみる
子どもがうまくできなかったときに、先生がどんな言葉をかけているかを見てみてください。「この先生を応援したい」と思えるかどうかも、大切な判断材料です。
③ おうちで「はかる」「割る」「まぜる」を一つだけ任せてみる
全部を任せなくても大丈夫です。たとえば「この牛乳を、ここまで入れてくれる?」と、一つの動作だけお願いしてみてくださいね。
④ 「できなかった」日は、挑戦したことを言葉にしてみる
「できなかったね。」ではなく、「やってみようと思ったんだね。」と声をかけてみる。結果より、挑戦した気持ちを受け止めることが、次の「できた!」につながります。
⑤ 習い事から帰ったら、「楽しかったこと」を聞いてみる
「ちゃんとできた?」ではなく、「今日は何がいちばん楽しかった?」と聞いてみてください。子どもの答えの中に、その習い事が合っているかどうかのヒントが隠れています。
おわりに
薬剤師として人の健康に向き合い、食育実践家として子どもたちと一緒に料理をする中で、私が大切にしていることがあります。
教育は、元本割れのない投資だということ。そして、その投資先を選ぶときは、「誰が、どんな想いで子どもに向き合っているか」を見てほしいということです。
3歳の子どもが牛乳をこぼしても、卵を上手に割れなくても、そのすべてが、自分で考えてやってみる力の芽になります。「できなかった」を「次はこうしてみよう」に変えられる力は、料理だけでなく、これから先のいろいろな場面で子どもを支えてくれると信じています。
まとめ
幼児の習い事の選び方に、正解は一つではないと思います。まわりと同じでなくても大丈夫。焦らなくても大丈夫です。「この場所なら、わが子の少し先の未来が楽しみになる」と思えるかどうかを、ぜひ一つの基準にしてみてください。食と学ぶとでも、子どもたちの「できた!」と「おいしいね!」を、これからも一緒に育てていきたいと思っています。
よくある質問
Q. 3歳からの習い事は早すぎませんか?
A. 早すぎることはないと私は考えています。3歳でも、ちょっとした工夫と声かけがあれば、「できなかった」も「できた!」も大切な経験として積み重ねていけます。子どもの「良いところ」を習い事の先生と見つけられるというところもいいところだと思います。
Q. 幼児の習い事は、何を基準に選べばいいですか?
A. 指導者がどんな想いで子どもに向き合っているか、少し先の未来に子どもの目を輝かせてくれるかどうかを、基準の一つにしてみてください。体験レッスンで先生の声かけを見てみるのもおすすめです。
Q. 青空キッチンはどこで、何歳から通えますか?
A. 東京都大田区の青空キッチン大田区久が原校・大森校で開講しており、3歳から小学6年生までの子どもたちが通っています。体験レッスンも随時受け付けていますので、お気軽にどうぞ。
企業・教育機関・行政の皆さまへ
食と学ぶとでは、延べ8,000名の子どもたちを指導してきた実績と薬剤師としての医療の視点をいかし、食育セミナー・親子イベントの企画運営、講演、コラムの執筆・監修を承っています。
青空キッチンで、お子さまの「考える力」を育てませんか
3歳から始められる料理の習い事で、お子さまの「できた!」を一緒に育てませんか。青空キッチン大田区久が原校・大森校では、幼児から小学生までの子どもたちが、「食」を教材に考える力・生きる力を育んでいます。体験レッスンを随時受け付けています。
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この記事を書いた人

石井 千賀子(いしい ちかこ)
食と学ぶと 代表/子どもの食育スクール「青空キッチン」大田区久が原校 主宰(2019年〜)/薬剤師
病院薬剤師としての経験と子育ての経験から、「食」を通して子どもの考える力・生きる力を育む活動をしている。延べ8,000名の子どもたちを指導し、生徒120名のスクールに成長。協会大賞など4賞を受賞。キッズコーチングの手法を学び、子どもの気持ちに寄り添う声かけをレッスンに取り入れている。AERA Woman スペシャルサポーター(第2期)。AERA、AERA with Kids、InRedなどの雑誌やJ:COMでも活動が紹介されている。