夏が終わると、街はあっという間にハロウィン一色になりますね。お店にはかぼちゃの飾りやお菓子が並び、仮装を楽しみにしているお子さんも多いのではないでしょうか。

私が子どものころは、ハロウィンがここまでにぎやかではなかったので、毎年少し驚いてしまいます。

行事は、何よりも「楽しい」ことが大切です。そこに、ほんの少し「知る」ことを加えると、子どもたちは行事にもっと親しめるようになります。

このコラムでは、ハロウィンの由来を子どもにわかりやすく伝えるコツと、本場アイルランドに伝わる、親子で作れるおやつをご紹介します。

ハロウィンって、何のお祭り?

はじまりは、古代ケルトの人々のお祭り

ハロウィンのルーツは、今のアイルランドなどに暮らしていた古代ケルトの人々のお祭りだといわれています。

ケルトの人々にとって、秋の終わりは一年の終わり。収穫を祝い、新しい年を迎える大切な節目でした。そして、この時期には亡くなった人の魂が家族のもとへ帰ってくると考えられていました。

日本でいえば、「年末とお盆が一度にやってきた」ようなイメージです。

どうして仮装をするの?

亡くなった人の魂と一緒に、悪いものもやってくると考えられていました。そこで人々は、怖い姿に変装して仲間のふりをしたり、悪いものを追い払ったりしたといわれています。

ハロウィンの仮装に、おばけや魔女など少し怖いものが多いのは、そのなごりなのです。

実は、かぼちゃじゃなかった!

ハロウィンといえば、かぼちゃをくりぬいたランタンですね。ところが、本場アイルランドでは、もともとカブなどの野菜を使っていたといわれています。

この習慣がアメリカに伝わったとき、たくさん採れて大きく、くりぬきやすいかぼちゃが使われるようになりました。それが世界に広まって、今の「ハロウィンといえばかぼちゃ」になったのです。

「えっ、かぼちゃじゃなかったの?」
この驚きは、子どもの好奇心を引き出す絶好のきっかけになります。

年齢に合わせた、ハロウィンの伝え方

由来をすべて説明する必要はありません。子どもの年齢に合わせて、「ちょっとだけ」伝えるのがコツです。

3〜4歳さん:「楽しい」と「なぜ?」を一緒に

この時期の子どもには、難しい説明よりも、身近な問いかけが響きます。

  • 「どうしておばけの格好をするのかな?」
  • 「かぼちゃのお顔、何でできてると思う?」

答えを教えるよりも、「なんでだろうね」と一緒に考える時間を楽しんでください。

5〜6歳さん:「どこの国の行事?」を知る

世界にはいろいろな国があることがわかってくる年齢です。地図や地球儀で、アイルランドの場所を一緒に探してみるのもおすすめです。

  • 「ハロウィンは、遠い国から来たお祭りなんだよ」
  • 「最初はかぼちゃじゃなくて、カブを使っていたんだって」

「知っている」ことが、子どもの自信にもつながります。

小学生:日本の行事と比べてみる

小学生になると、比べて考える力が育ってきます。

  • 「亡くなった人の魂が帰ってくるのは、日本のお盆と似ているね」
  • 「ハロウィンの国では、どんなものを食べているんだろう?」

日本と世界の違いや共通点を見つけると、行事がぐっと奥深いものになります。

本場アイルランドの味「じゃがいものパンケーキ」を作ろう

アイルランドは、じゃがいもをよく食べる国です。じゃがいもを使った素朴な料理が、昔から家庭で親しまれてきました。

そのひとつが、じゃがいものパンケーキです。外はカリッと、中はもちっとした食感で、おやつにも軽食にもぴったり。我が家の子どもたちも大好きなメニューです。

材料(15㎝丸型が6枚程度)

じゃがいも 中3個
●薄力粉 大さじ3
●卵 1個
●バター 5g
●ピザ用チーズ 40g
●塩 ひとつまみ
サラダ油 小さじ1
パセリ 適量
はちみつ 適量 ※1歳未満のお子様には、はちみつは使用しないようご注意ください。

作り方

① じゃがいもは皮をむく。
② 半分は一口大に切り耐熱ボウルに分量外の水(大さじ1程度)を入れ、600wの電子レンジで約6分加熱し、マッシャーでつぶす。
③ もう半分は、すりおろし②と混ぜ合わせる。すりおろしの作業もお手伝いしてもらっても。
④ ●を③に加えよく混ぜる。
⑤ フライパンにサラダ油をしき、④を直径15㎝程度の円形に流し入れ、両面を焼く。
⑥ 両面が焼けたらお皿に盛り、パセリ、はちみつをかける。

そのままでもおいしいですが、少しのはちみつやジャムを添えると子どもが喜ぶおやつに。チーズをのせたり、ケチャップを添えたりすれば、軽食にもなります。

※はちみつは、1歳未満の赤ちゃんには与えないでください。
※卵・乳・小麦を使っています。アレルギーのあるお子さんは、食材を調整してください。

子どもにお願いしたいお手伝い

年齢に合わせて、できることをお願いしてみましょう。

  • 3〜4歳:ゆでたじゃがいもをつぶす、材料を混ぜる
  • 5〜6歳:材料を量る、生地をスプーンで落とす(大人がそばについて)
  • 小学生:すりおろし、焼く工程にも挑戦(すりおろし器や火の扱いは大人と一緒に)

ゆでたじゃがいもと、すりおろしたじゃがいも。同じじゃがいもでも、手ざわりや色、においが違うことに気づくはずです。「どう違う?」と聞いてみてください。それだけで、立派な食育になります。

行事を「知って楽しむ」ことが、子どもを育てる

行事の由来や食文化を知ることには、たくさんの学びがあります。

  • 好奇心が育つ:「なぜ?」「どうして?」と考えるきっかけになる
  • 世界への関心が広がる:遠い国の文化を、身近な食べ物を通して感じられる
  • 日本の文化への理解も深まる:お盆やお月見など、日本の行事と比べることができる
  • 食への興味が生まれる:自分で作った料理は、苦手な食材でも「食べてみよう」と思える

難しく考える必要はありません。「かぼちゃじゃなかったんだって!」という一言から、親子の会話が広がっていくととうれしいです^^

まとめ:今年のハロウィンは、親子で「知る」をひとさじ

ハロウィンは、仮装やお菓子を楽しむだけでなく、世界の文化や食に出会える素敵な行事です。

今年のハロウィンは、子どもと一緒に由来を話したり、本場アイルランドのじゃがいものパンケーキを作ったりしてみませんか。いつもの行事が、親子の学びと思い出の時間に変わるといいですね。

小学館WEBサイトHugKumにて、コラムを掲載しております。
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食と学ぶとでは、大田区久が原・大森の子どもの食育スクール「青空キッチン」で、3歳から小学生を対象に、料理を通して考える力と生きる力を育てるレッスンを行っています。季節の行事を楽しむ食育イベントも開催しています。

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この記事を書いた人

石井 千賀子(いしい ちかこ)
食と学ぶと 代表/子どもの食育スクール「青空キッチン」大田区久が原校 主宰(2019年〜)/薬剤師

病院薬剤師としての経験と子育ての経験から、「食」を通して子どもの考える力・生きる力を育む活動をしている。延べ8,000名の子どもたちを指導し、生徒120名のスクールに成長。協会大賞など4賞を受賞。キッズコーチングの手法を学び、子どもの気持ちに寄り添う声かけをレッスンに取り入れている。AERA Woman スペシャルサポーター(第2期)。AERA、AERA with Kids、InRedなどの雑誌やJ:COMでも活動が紹介されている。